浅草名画座 番組解説 2005年11月号
第1週 : 11月2日〜8日
『仁義なき戦い / 完結篇』1974年 東映 99分
(出演)菅原文太, 小林旭, 北大路欣也 (監督)深作欣二
それから7年…。広島極道最後のオトシマエを描く、真・その後の仁義なき戦い !
政治結社へ転向した山守組と、広能の出所。それぞれの思惑が絡み合い、シリーズはいよいよ大団円へと向かう !
泣いても笑ってもこれが最後。四の五の云わずエンドマークまでお付き合い願います。
『五人の賞金稼ぎ』 1969年 東映 97分
(出演)若山富三郎, 嵐寛寿郎, 大木実 (監督))工藤栄一
領主の悪政に耐え切れず反乱を起こした一揆軍に助太刀すべく、個性豊かな賞金稼ぎ達が集まった !
インポッシブルなミッションに命を懸ける荒くれどもの、手に汗握る決死の攻防戦 !
東映第三の男・富三郎が派手に暴れまくる、痛快・豪快・奇想天外のスーパー時代劇シリーズ第2弾 !
『暗黒街の対決』 1960年 東宝 95分
(出演)三船敏郎, 鶴田浩二 (監督))岡本喜八
汚職デカ・三船とヤクザ者・鶴田の友情と対決をクールに描く、暗黒街シリーズ第3弾 !
砂利採掘権を奪い合う暴力団の抗争と、鶴田浩二の復讐劇、そして三船の真の正体めぐって岡本喜八が荒業を連発する大ヒットアクション !
皮ジャン鶴田にシビレまくり、ミッキー・カーチスで一気に脱力。
第2週 : 11月9日〜15日
『傷だらけの人生』 1971年 東映 96分
(出演)鶴田浩二, 若山富三郎 (監督)小沢茂弘
不良中年のテーマソング「傷だらけの人生」が本人主演で完全映画化 !
命散らした兄弟分の、仇と狙った悪党は、事もあろうに実父だった… !
任侠道のみならず、ひとりの人間として苦悩する鶴田浩二が、哀愁MAXで殴り込む !
盟友・小沢茂弘とのコンビで贈る、任侠路線後期の代表作 !
『新網走番外地 / 嵐呼ぶ知床岬』 1971年 東映 105分
(出演)高倉健, 安藤昇 (監督)降旗康男
人にやさしい健サンは、動物にだってやさしいんだぜ !
極悪牧場・山麟組から愛馬カノーホマレを守る為、かわいい妹の結婚式もそこそこに、ドスを片手にまたひと暴れ ! リベンジャー安藤昇との男の意地を懸けたガチンコ対決が、観る者の魂を熱く撃ち抜く、新シリーズ第6弾 !
『餓狼の群れ』 2000年 東映ビデオ 109分
(出演)松方弘樹, 高島礼子, 萩原流行 (監督)渡辺武
元デカの一匹狼・松方が、孤独な男の怒りを爆発させるイケイケ犯罪アクション !
殉職したかつての仲間の汚名を晴らすべく、中国マフィアと桜田門相手にカチ込みかける壮絶な復讐戦 !
一匹娘・高島礼子との豪華なタッグで、悪の黒幕・萩原流行にケジメの天誅喰らわせる !
第3週 : 11月16日〜22日
『現代やくざ / 人斬り与太』 1972年 東映 88分
(出演)菅原文太, 安藤昇, 渚まゆみ (監督)深作欣二
深作&文太の悪名を一躍轟かせ、暴力映画の歴史を塗り替えた革命的傑作が登場 !
ヤクザ嫌いの野良犬・文太が捨て身のシマ荒らしを敢行。関西巨大組織を巻き込んで、川崎の街を血に染める !
にぎりめしには思わず涙…。 文太兄ィの少年時代を演じてるのは真田広之ですぜ !
『戦国自衛隊』 1970年 角川 138分
(出演)千葉真一, 渡瀬恒彦, 夏八木勲 (監督)斎藤光正
戦国時代にタイムスリップした自衛隊が、憲法9条バックレて、武田信玄相手に宣戦布告 !
最新兵器の自衛隊 VS 武田軍の凄絶なゲリラ戦はベトナムの修羅場を再現する !
反乱軍・渡瀬恒彦のケセラセラな暴れっぷりが、戦場の狂気を不気味に浮かび上がらせ、ある意味リアル。
『修羅のみち8 / 大阪最終血戦』 2003年 ナック 81分
(出演)原田龍二, 松方弘樹, 渡辺裕之 (監督)佐々木正人
五代目助さん・原田龍二のブート極道シリーズ第8弾 !
関東 VS 関西の凄惨な抗争もようやく沈静化に向かうと思いきや、またもや襲い来るは極悪・松方 ! はて?チミは確か死んだハズでは ? 謎が謎を呼ぶ反則スレスレ怒涛の展開に、一瞬たりとも目が離せないスーパーアクション巨篇 !
第4週 : 11月23日〜29日
『新・男はつらいよ』 1970年 松竹 92分
(出演)渥美清, 栗原小巻, 財津一郎 (監督)小林俊一
競馬で大穴を当てた寅さんが凱旋帰郷し、おいちゃん達にハワイ旅行をプレゼント !
と、ここまでは良かったが…。
上質な落語を思わせる爆笑事件にヘソで茶が沸く傑作シリーズ第4作 !
後半は幼稚園の美人先生にひとめ惚れ。園児並みの行動力と理解力で、いよいよ寅にも春が来る ?
『新極道の妻たち / 覚悟しいや』 1993年 東映 115分
(出演)岩下志麻, 北大路欣也, かたせ梨乃 (監督)山下耕作
殺られた亭主のアダ討ちに、女だてらにチャカ抱いて、散るも覚悟の殴り込み !
元祖極妻・岩下志麻が、上部組織と香港マフィアに戦いを挑む、最大の問題作第6弾 !
香港ロケでは、志麻ねえさんやりたい放題のワンマンショー !
梅宮と草刈正雄が実の兄弟というミラクルな設定は、さすが東映 !
『血と砂の決闘』 1963年 東映
(出演)大友柳太郎, 近衛十四郎 (監督)松田定次
忘れちゃいけないスゴ腕剣士・大友柳太郎の、ド迫力アクション時代劇 !
槍の遣い手・弥十郎が、野武士に支配された集落を救うべく、快刀乱麻の大活躍 ! 主君の放った刺客軍団も加わっての大混戦を、頭脳プレーで切り抜けろ !
丘さとみがビッチな魅力で男心をわしづかみ !
第4週 : 11月30日〜12月6日
『日本女侠伝 / 鉄火芸者』 1970年 東映 100分
(出演)藤純子, 菅原文太, 藤山寛美 (監督)山下耕作
遠い昔に恩を受けた、やさぐれ文太への想いを胸に、操たてます守ります、これぞ辰巳芸者の心意気 !
男まさりの勝気さと、女らしい恋心を山下&笠原の名作連発コンビがしっとりと描く、純子の国民的人気シリーズ第3弾 !
米を牛耳り私服を肥やす悪の親玉は… またまたお前か安部徹 !
『海賊八幡船』 1960年 東映 105分
(出演)大川橋蔵, 月形龍之介 (監督)沢島忠
キャプテン橋蔵が、悪逆無道の海賊どもを根こそぎ蹴散らす、海洋アクション時代劇 !
豪族・村上水軍の跡取り息子が、父を殺し妹をさらった無法の輩どもを成敗すべく、捨て身で挑む大海戦 !
CG慣れした現代人が思わずビックリ腰抜かす、空前絶後のスペクタクル超大作 !
『続・決着(おとしまえ)』 1968年 東映 80分
(出演)梅宮辰夫, 吉田輝雄, 宮園純子 (監督)石井輝男
スケコマッシャー梅宮が、火照った体をググッとこらえ、硬派に徹する任侠シリーズ第2弾 !
港・ヨコハマを舞台に、人身売買でガッポリ儲ける強欲親分に、男の怒りが爆発する痛快アクション巨篇 !
梅宮&吉田輝雄のナイスなコンビが体を張って教訓カマす、間違いだらけの親分選び !
【日本悪人伝】
『奈辺悟』
平仮名で書くと「なべさとる」。
何だかとても愉快な名前ではあるが、本人もいたってサル顔で、漫才のボケ役のような雰囲気を持っている。
「仁義なき戦い / 完結篇」では無理矢理広能組に入れられそうになる少年、「県警対組織暴力」ではライター小僧と、気の弱そうな役どころが多かったが、苦労の甲斐あって「新仁義なき戦い / 組長最後の日」ではラストに菅原文太を殺害して大喝采を浴びた。
「ワイがやったんやでェ~~っ !」
そう、アイツである。
【任侠雑学講座】
『志麻姐さん』
人生に"たられば"は禁物である。
だがもし、岩下志麻が極妻を演ってなかったら、その後の女優人生は果たしてどうなっていたであろうか…。
ひょっとし たらテレビの通販番組なんかに出ていたかも知れない。
着物のお見立て会なども余裕でこなしていただろう。
演歌歌手の座長公演では当然レギュラーだ。
しか し"極妻"である。
篠田作品の岩下志麻を知らない輩も、極妻の志麻姐さんなら知っている。
マヌケなCMも女優としての本業も、その全てに極妻の強力な威 光が作用していて、何をやってもオール貫禄勝ちだ。
最強の武器を手に入れた大女優にもはや死角は無い。
それにしても岩下志麻はなぜ寅さんのマドンナを演らなかったのであろうか ?
「馬鹿シリーズ」の時に山田洋次とケンカでもしたのか ? 謎だ…。