浅草名画座 番組解説 2006年7月号

第1週 : 7月5日〜11日

『緋牡丹博徒 / 花札勝負』1969年 東映 98分 CS

(出演)藤純子, 高倉健, 嵐寛寿郎, 若山富三郎 (監督)加藤泰
渡世修行の旅の空、ひとり佇み何想う、哀しみ堪え過去捨てて、日陰に咲いた藤の花。

尾張名古屋に草鞋を脱いだお竜さんが、貸元の座を狙うしょっぱい悪党を 怒りのチャカで退治する名作任侠シリーズ第3弾 !

助っ人健サンが硬派に決めりゃ、負けじと熊虎親分も"お竜命"の大暴れ !  今回はニセお竜も登場だ !

 

『トラック野郎 / 突撃一番星』 1978年 東映 103分 CS

(出演)菅原文太, 原田美枝子, 愛川欽也 (監督))鈴木則文
天下御免の白ナンバー・一番星の桃次郎が、エアー読めない熱烈アタックで今回もスベりまくる、お待ちかねの爆笑娯楽巨篇 !

UFOブーム到来の桃サンが巨乳美女に一目惚れ。 下心丸出しの接近遭遇を試みるも、ブスに惚れられ大慌て !  イルカ、アワビ、キリンと、桃サンが畜生相手に大活躍の超人気シリーズ第7弾 !

 

『賞金稼ぎ』 1969年 東映 90分 CS

(出演)若山富三郎, 鶴田浩二, 片岡千恵蔵 (監督))小沢茂弘
隠密=スパイ。な~んだ、つまり007じゃん ! と、実に東映らしい安易な発想でブチかます豪快アクション時代劇 !

たぶん本当にヤバイ富三郎が、軍用銃の行方を追って薩摩相手に戦争開始 !  小沢茂弘の荒唐無稽ワザが息つく間もなくズバズバ炸裂するシリーズ第1弾 !

白塗りったって程がある、誰なんだよ天津敏 !

 

第2週 : 7月12日〜18日

『侠骨一代』 1967年 東映 92分 CS

(出演)高倉健, 藤純子, 志村喬, 大木実 (監督)マキノ雅弘
おふくろ想いの健サンが、チェリーな心意気爆発で悪を斬る傑作任侠巨篇が堂々の登場 !

兵隊→乞食→人足→ヤクザと、波乱万丈の人生を歩む健サンが、既得権益にしがみつくクサレ外道どもを相手に、男気チョモランマで立ち向かう東映任侠路線屈 指の名編 !

純子絶品 !  ぎこちないラブシーンは微笑ましい限りです。

 

『最後の博徒』 1985年 東映 125分 VV

(出演)松方弘樹, 鶴田浩二, 萬屋錦之介 (監督)山下耕作
伝説の侠客・波谷守之の激動人生を、東映オールスターズで描く究極の実録超大作 !

広島抗争事件を終結させるべく奔走した一人の男の生き様を、将軍・山下耕作が己の任侠美学を集大成して謳い上げる、もうひとつの仁義なき戦い !

これが遺作となった鶴田浩二の最後の熱演を、しかとその目に焼き付けよ !

 

『陽炎IV』 1998年 松竹 89分 VV

(出演)高島礼子, 柴俊夫, 本田博太郎 (監督)井上昭
台東区で一、二を争うマネーメイキングスター・高島礼子が、女一匹命を懸けて南国土佐を血に染める、無敵の任侠シリーズ第4弾 !

ヤクザの抗争に巻き込まれた女胴師おりんが、はかなく散った想いを胸に孤独な戦いを挑む壮絶巨篇 !

乱れ牡丹の怜子との一騎打ちは手に汗握る好勝負 !  それにつけてもナゼ柴俊夫 ?

 

第3週 : 7月19日〜25日

極道の妻たち / 決着(けじめ)』 1998年 東映 116分 VV

(出演)岩下志麻, かたせ梨乃, 中条きよし (監督)中島貞夫
ゼニ勘定にうつつを抜かし、仁義を失くした男たち、有終飾る志麻姐が、最後に魅せます女のケジメ !

五十億の現ナマ絡んだ竹内力殺人事件が発生 !  極妻探偵団を結成した志麻姐さんが、黒幕野郎の恩知らずな野望を粉砕する傑作シリーズ完結篇 !

シブいぜキンキン儲け役 !  名古屋章は相変わらず名古屋章です。

 

『続・網走番外地』 1965年 東宝 87分 CS

(出演)高倉健, 嵐寛寿郎, 田中邦衛 (監督)石井輝男
コクられっぷりもカワユイ照れ屋な健サンが、何と強盗殺人容疑で指名手配 ?  身の潔白を証明すべく、凶悪ギャング団相手に捨て身の戦いを挑む !

訳アリ美女たちを巻き込んでの激しいダイヤ争奪戦をサスペンスタッチに描く(ウソ)、大人気シリーズ第2弾 !

マリモ欲しさに殴り合い・・・ いくら何でも出過ぎだぜ安部徹 !

 

『御用牙 / 鬼の半蔵やわ肌小判』 1974年 東宝 84分 CS

(出演)勝新太郎, 成田三樹夫, 西村晃 (監督)井上芳夫
不屈のエロ同心・坂見半蔵が、天井知らずの絶倫パワーで巨悪に勃ち向かう悶絶時代劇第3弾 !

お江戸の治安を守るため日夜チントレに励む半蔵が、御用金盗み出しを企む欲ボケ老中・名和宏と剣客・成田を相手に壮絶な死闘を展開する !

腰の大砲ドカンと放ち、上も下も口封じ !  幽霊だってヒィヒィ言わすぜ !

 

第4週 : 7月26日〜8月1日

『昭和残侠伝 / 一匹狼』 1966年 東映 90分 CS

(出演)高倉健, 池部良, 藤純子 (監督)佐伯清
響く海鳴り背中で聞いて、意地で向き合う男が二匹、互いに抱えたそのしがらみは、百も承知のドス勝負 !

港町に現れた健サンが、マグロ独り占めを狙うインチキグルメ・河津清三郎を怒りの高倉剣で叩っ斬る傑作シリーズ第3弾 !

どっちが勝っても恨みっこなし。健 VS 良の宿命の大一番は、とりあえず全員正座で鑑賞だ !

 

『横浜暗黒街 / マシンガンの竜』 1976年 東映 93分 CS

(出演)菅原文太, 三益愛子, 田中邦衛 (監督)岡本明久
日本の母・三益愛子が何とギャング役に挑戦 !  マザコン文太との母子コンビでド派手に暴れまくる異色のハード巨篇 !

大量の麻薬を強奪した文太愛子が、サツもヤクザも片っ端から敵に廻してくり広げるマシンガン片手の大銃撃戦 !

中島ゆたかがセクシー全開で体を張れば、三益愛子も掟破りの入浴シーンで対抗だ !

 

『虹をつかむ男』 1996年 松竹 120分 CS

(出演)西田敏行, 倍賞千恵子, 前田吟 (監督)山田洋次
寅さんファミリー総出演で故・渥美清に捧げた、松竹期待の新シリーズ第1弾 !

場末の映画館を守り抜く館主&映写技師たちの奮闘努力と赤字覚悟の心意気を、笑いと涙のてんこ盛りで描く人情喜劇の決定版 !  身につまされる話ゆえ、浅名アニキも他人事とは思えません…。

特別ゲストはもちろん四角い顔のアノお方 !

 

【任侠雑学講座】

『最後の博徒』

主人公のモデルとなった波谷守之は、広島やくざ戦争においてかなり重要な役割を果たした人物なのですが、何故か「仁義なき戦い」五部作には全く登場しませ ん。

第一部で文太に組長(名和宏)を襲撃され壊滅に追い込まれる"土居組"の組員にあたり、「制覇」で小林旭が演じたシブ~いヤクザもこの人がモデルで す。

本作品と「仁義なき戦い / 第一部」で、モデルを同一とする主要な登場人物は以下の通り。
千葉真一 (加納良三) → 菅原文太 (広能昌三)

成田三樹夫 (山辰親分) → 金子信雄 (山守親分)

梅宮辰夫 (石岡組長) → 名和宏 (土居組長)

江夏豊 (大松) → 梅宮辰夫 (若杉)
ちなみに鶴田浩二のモデルはボンノこと菅谷政雄、丹波哲郎はもちろん山口組三代目、北陸の帝王・川名とは「北陸代理戦争」で松方が演じたあの狂犬野郎の事です。

ピンでも余裕でカンバン張れる大物たちがズラリと勢揃いした様は、正に圧巻であります。

最後の博徒 [DVD]

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