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誤解曲解美化錯覚

映写技師をやっている、と言うと、
「ほう、それは立派な職業でございますなあ」とか
「へえ、うらやましい」
「きゃあ素敵」などと、
思いがけぬ反応がかえってきて、軽い眩暈をおぼえることがある。

なんだ、
おちょくられているのか?
気をつかわせているのか?
おだてられているのか?
それとも何やら怪しげな壺でも買わされるのか?

なぜそのような穿った卑屈なものの見方をするのかというと、それは自分自身が映写技師という職業に就く人たちに対してものすごーく偏見を持っているからである。
洋の東西を問わず古の昔から映写技師といえば、前科者、禁治産者、アル中、ジャンキー、性格破綻者、高校中退、バカ、魑魅魍魎、と相場が決まっている。

いや、そうなんですよ実際。
自分がこれまで出会ってきた映写技師たちは皆さん揃ってそんな方々ばかりでした。

出勤から退社までず~っと飲み続け、プリントを逆につなげて上映したNさん。
突然映写のしかたを忘れ、「どうしよう」と受付のおばちゃんに泣きついたSさん。
映写室で連日トルエンをキメつづけ、トロトロのままクビになったHさん。
上映中のピンク映画を映写窓から観ながら自慰に耽るOさん。
映写機の横に置いたバケツでウンコをするMさん。
客のおっさんにチンコをしゃぶらせていたIさん。

ね、ヒドイもんでしょ?
神聖な職場というより、限りなくきちげえ病院みたいな世界なのですよ。
こういうカッコーの巣の上に長くいると、自分がマトモな普通の人間であると錯覚、いや、確信できるから不思議なもの。 つかありがたい。

自分も職場ではヤクザだの右翼だのと謂われ無き差別的評判をいただいてはおりますし、前科者などと言われれば返す言葉もございませんが、こういったモノホンの方々にはかないません。
比較する気も毛頭ございません。
とりあえず裸足で退散です。

では何故、そんな映写技師などというヤクザな職業に羨望の眼差しを向ける人たちがいるのであろうか、というと、思うにそれはすべて「ニュー・シネマ・パラダイス」なる毛唐のこさえた大感動映画による悪影響なのではないか、と思われます。

ニュー・シネマ・パラダイス」明日4月2日21時、NHK-BS2にて放映。
俺はぜってえ観ねえぞ!

 

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